宮田秀明の「経営の設計学」 - 飛行機の翼を描けない理系学生
『最近、毎年3年生になって進学してくる50人ばかりの学生に簡単な小テストをしている。
1)飛行機の翼の断面形を描きなさい。
2)乗用車の歯車の使われている位置を示しなさい
この2問である。
実は、この問いに何とか正解を出せる学生は約3割でしかない。みんな工学部の学生なのに、飛行機に乗っても翼を観察したことはなく、車という工業製品のメカニズムに興味を持ったこともないのだ』
こーゆー人が何で理系志望なのかが理解できませんな。
もっと酷い例が別記事にある。
nikkei BPnet - 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 -
東大生にも蔓延!履修漏れ問題 「ゆとり教育」が国を滅ぼす
『私は、9年前にも、東大教養学部で教えたことがあるが、そのときも東大生の知的水準の低下に驚いて、「東大生はバカになったか」(2001、文藝春秋)という本を書いた。
その時紹介したエピソードとして、東大の理科1類(理学部と工学部に進学する予定)の学生に簡単なテストをした結果がある。
簡単なテストとは、「東京札幌間の直線距離」、「1円貨の直径」「1枚の紙の厚さ」といったリアルな日常世界の常識的な数値を与えられた1群の答えの中から選択するというものだった。
その結果は、正解に近い数値を選択した学生がいちばん多いことは多かったが、
「答えの最小値、最大値あたりを見ていくと、頭がおかしい、頭がこわれているとしかいいようがない答えがならんでいる。東京と札幌の間が30キロメートル以下とか、10万キロメートルとか、1円玉の直径が0.1センチとか、5センチとか、紙1枚の厚さが1000ミクロン(1ミリ)以上といった、根本的常識、日常感覚に欠けている答えを見ると、お前ホントに、東大の理1に受かったのかといいたくなるだろう。こういう学生を合格させてしまう(スクリーニングできない)東大の入試試験のやり方はまちがっている。こういう資料を見ると、ナルホド東大生はバカになったなと思われるだろう」』
1円玉の直径が0.1センチとか書けるほど無関心・不注意な人なんか、東大生と言えど不要。
驚きを通り越して呆れ顔ですな。
筆記試験を考えるとき、単純に○×で合計採点してるだけじゃ、こーゆー明らかに不適切な学生のスクリーニングはできない。
「この問題に不正解だと/この選択肢を選んだら即アウト」とか、「この問題は解法とそこに盛り込まれた工夫だけを見る」とか、試験作成側が求める人材像を考慮しつつ、横着せずしっかり考えて対象選別プログラムを作っていかないと。
教授って講義・学会・論文作成・資金調達とか超多忙だろうから、とても試験作成の時間なんて捻出できないのが実情なんだろうけど、試験作成のプロに手伝ってもらってでも何とかすべきなんじゃないのかなって思う。
間違って合格してしまった人が大学を出るまでにしっかり理系思考を身につけて出てくれるのならいいんだけど、こーゆー常識的なことさえ気にしてない人の場合、なかなか難しいんだよね。
非常識な人間が「有名大学卒」なんて肩書きもらって変に自信つけてしまわれても迷惑だし。