本田雅一の「週刊モバイル通信」 - PS3をメディアプレーヤーとして使う人のためのTips
『PS3にはCD、SACDの再生が可能なほか、CDからAAC、MP3、ATRAC3でHDD内に音楽を取り込んで再生する機能がある。この中で驚くほど良いのがSACD(Super Audio CD)再生だ。
読者のほとんどは、SACDを所有していないだろう。メジャーなメディアにはなれなかったSACDだが、その中に収められている音の品質はCDとは明確に違う。
SACDは約2.8MHzという高いサンプリングレートで記録された1bitオーディオ信号(Direct Stream Digital=DSD)で音が収められている。DSDを用いる理由はいくつかあるのだが、分解能もダイナミックレンジも周波数特性も、CDよりも圧倒的に優れている』
本田雅一の「週刊モバイル通信」 - “忘れ去られたプロジェクト”が生み出した大いなる成果
『このときのダイナミックレンジは、デジタル領域での数値とはいえ170dB以上にまで達しているというから驚きだ。30bit相当時の理論値が約180dB。これ以上の情報量は望めない』
オーディオに詳しいわけでもないからSACDの世界では当たり前の数値なのかもしれないけど、ダイナミックレンジ170デシベルって、やっぱり驚いてしまう。聞いたことのない数値だったりする。
でもまぁ冷静に考えて電卓で計算してみれば、符号なし30ビット整数で表現できる数値の範囲が0~1073741823だから、確かにダイナミックレンジは理論値で約180デシベルだし(*1)、デジタル領域で何で理論値が出せないの?とか思ってしまうんだけど、そこは記事にも書かれてる通り、計算誤差とかいろいろあってかなり難しいことなんだろうね。
PS3の計算能力をSPE 5個丸々使い切るほどの膨大な計算量らしいし。
努力と熱意がないとできないことだね。凄い。
実際はスピーカーから出力されるまでのどこかでデジタル→アナログに信号変換しないといけないし、そこでも当然ノイズが乗ってくるから、オーディオ機器として回路設計されてないPS3だと出力段階のS/Nは相当落ちてるだろうけど、それでもHDMIを使ってデジタル信号のままPS3外部に出して良い機器繋いであげれば筆者のようなオーディオマニアを驚かせるような出来だっていうんだから、頑張って対応した甲斐は確実にあるんだろうね。PS3の宣伝効果まで含めてね^^
(*1)
↓詳しくないなりに説明頑張ってみてるので、基本的な部分以外はかなり曖昧だと思われます^^;
↓書いたのを自分で読んでみて、「なんかデジタルとアナログを混同しちゃってるなぁ」とか「ダイナミックレンジ=分解能みたいに決めつけた書き方だなぁ」とか色々思ってみたり。。。差し引いて読んでください><w
ダイナミックレンジって言葉は色んな分野で目にする言葉だけど、オーディオ機器で一般的に言うところのダイナミックレンジは、その機器が出すことの(表現することの)できる音量の最小値と最大値の比率をdB(デシベル)という単位で表したもので、公式(対数関数を使ってる)とか難しい説明を省くと、20dB毎にその比率が10倍になる(20dB=10倍,40dB=100倍,60dB=1000倍)。
つまり、ダイナミックレンジが高ければ高いほど(広ければ広いほど)、「小さい音はより小さく、大きい音はより大きく」出力できることになる。
テレビやPCディスプレイで言うところのコントラスト比もダイナミックレンジの一種。コントラスト比の高いディスプレイは普通「黒はより黒く、白はより白く」表示できるし、微妙な色の違いを表現仕分けることができるもんね。
で、30ビットだと音量としては0~1073741823まで表現できるから、
無音を除く最小音量1(基準音量)と最大音量1073741823の比は1,073,741,823倍
= 約1,000,000,000倍
= 約180dB (10倍が9回分→20db×9)
となるわけです。
実際は最小音量と最大音量っていう「両端」が機器毎に大きく違うことはないだろうし、ダイナミックレンジは分解能と捉えられることの方が多いのかな?(←よく知らないw) 特にデジタルオーディオ機器。
ダイナミックレンジが10000倍になったからといって10000倍大きな音を出したら、スピーカーと鼓膜が壊れちゃうもんねw
①の機器で音量0~2の範囲しか使わない音(クラシック音楽の静かな部分とか)を聴くと、その部分は音量0, 1, 2の3段階でしか表現できない(=粗い)けど、②の機器で聴けば 0, 1, 2, 3, 4の5段階の表現力(分解能)があるから、①よりは細やかな表現が可能になる。
細かいことを考えなければSACDとCDの音量分解能の差は30-16=14ビットと考えて良さそうだから、CDの音量1がSACDだと更にそれを16384分割して表現できる、つまり、より繊細な表現が可能になるってことになる。
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ちなみに地震の規模(エネルギー)を表すマグニチュードも似たようなもので、これはマグニチュード1(M1)当たり規模が約32倍になる。
だから、M6とM7の地震は数値では1の違いだけど規模的には32倍の違い、M6とM8だと32×32で1024倍の違いってことになる。桁違いもいいとこだね。
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Wikipedia - デシベル
Wikipedia - マグニチュード