栗原潔のテクノロジー時評Ver2 - リッチクライアントよりもステートレスクライアント
『クライアントのアーキテクチャ(ここでは、ソフトウェアの構築方式のこと)で、シンvsファットvsリッチという区分は実はあんまり本質的ではないのではと思ったりします。本当に大事なのはステートレスなのかステートフルなのかということであって、可能な限りクライアントはステートレスにすべきと思うわけです』
なるほどー!
この視点は重要だと思う。
こういうことを普段よく考えている人なら多かれ少なかれ頭の中に留まってる考え方ではあるんだろうけど、これを「ステートフル」「ステートレス」っていう比較的なじみやすい、かつ表現としてはピッタリの言葉で説明し直してもらえると、そのボンヤリしていた考えが一気に形として見えてくるようになる^^
こういった「物事を見るときの新しい/真正面からの視点」を自分に追加してくれる文章は、とても有り難い。
というか、有り難うございます^^
これが他人の文章を読むときの醍醐味の一つだね。
いろんな人の「考えを巡らせた成果」を知っていきたいものです。
『ステートフルであると、サーバ側とのデータ不整合の問題を常に考えなければいけないわけで、システムの設計や運用が一気に難しくなります。ファット・クライアントがまずいのはファットであることが理由というよりも、ステートフルであることが理由で、これによりクライアント側のプログラム管理というきわめてやっかいな問題が生じてしまったわけです。逆の言い方をすれば、シン・クライアントの良さはシン(軽量)であることよりも、ステートレスであることから来るわけです。
リッチクライアントを構築する時も可能な限り、ステートレス性をめざさないと、名前が違うだけで実はファット・クライアントと同じになってしまいますよね。もちろん、例外的にステートフルにしなければならないケースもあるとは思いますが(たとえば、オフラインでも稼働させたい場合)、基本はステートレスに作るべきだと思います』